2021/12/18 15:31


アラジンブルーフレームヒーター 38型です。

ダイアルを回して芯を繰り上げて点火しようとしても、耐震装置が効いてダイアルが巻き戻り、点火できないとのことです。

ダイアルを右に回すと芯が上がる。火を点ける。左に回すと芯が下がる。火が消える。

これが基本の動きですが、このシリーズは振動があるとバネがリリースされて強制的に芯を巻き戻して火を消すようになっています。


このギザギザに爪が引っかかって芯を保持してるのですが、引っかからなくなっています。

原因はこのギザギザがすり減ってかかりが悪いのか、引っ掛けている爪が悪いのか。

そこを中心に原因をさぐります。

まずは単に耐震装置の取り付け位置が悪いだけなのかもしれないので微妙に位置を調整してみます。

できれば小さな作業で成果をあげたいので簡単な方法から試します。

位置をいろいろ試してみましたが、ダメでした。

次にギザギザのエッジがすり減って滑っていることを疑って、精密なヤスリでエッジをかかりやすく調整します。ここまでやるのは大変ですが部品を取り寄せるより早くできるのでがんばります。

それでもうまくいきませんでした。

そこで自分が整備の練習用に持っている古いアラジンストーブを出してきて、そこから耐震装置を外して、今預かっているストーブに取り付けてみます。

旧式の耐震装置。
多少デザインが違うのですが取りつきました。
この耐震装置をつけると問題なく点火できました。
この部品が新品ならポンと付けて部品代金をもらえばいいのですが、古いのでそうは行きません。
ただこれで火がつかない原因はこの耐震装置にあることがわかりました。
両方の耐震装置を外し、耐震装置自体を見比べてみます。よく見ると中のアームに歪みがありました。慎重に修正してストーブに取り付けました。
無事火がつきました。
今回はかなり困難で修理できるかどうかわからない作業でした。
お医者さんの場合、診断して治らなくて治療費が発生しますが、当店の場合は修理が無事完了しないとお金をもらえません。
ついでに新しい芯に交換して整備完了です。
芯代金2500円、芯交換及び整備費3000円、税550円、合計6050円になりました。
芯が固着してなくてよかったです。
ありがとうございました。
これで芯の予備さえあればあと50年くらいは使えそうです。その時代に灯油が売ってればですけど。